従来のタンパク質生産系は、確立された製造工程や薬事対応の道筋を提供し、バイオ医薬品産業の発展を支えてきました。一方、ヒト本来のタンパク質が持つ複雑な構造や生物学的特性を再現することは、依然として大きな課題です。以下の図に、バイオ医薬品産業が直面する4つの主要課題をまとめています。

次世代のバイオ医薬品には、ヒト特有のタンパク質特性を再現しながら、実用的な生産性、スケーラビリティ、開発期間の短縮を両立する新たな生産プラットフォームが求められています。

ヒト型翻訳後修飾の再現が困難
従来の非ヒト由来発現系では、ヒト本来の糖鎖修飾や脂質修飾、タンパク質の立体構造を忠実に再現することが困難です。
複雑なタンパク質の発現・構造形成が困難
多鎖タンパク質や膜タンパク質、複数のサブユニットからなる複合体では、適切な発現や構造形成が技術的な課題となっています。
長い開発期間
目的タンパク質ごとに必要となるクローニング、細胞株の選択・樹立、セルバンク構築などが、開発期間の長期化につながります。
ヒト細胞による製造上の課題
ヒト細胞を用いた製造では、生産性、スケールアップ、製造コスト、薬事対応などの面で、さらなる技術開発が求められます。